一人(ちゅい)助け(たしき)助け(たしき)【一人一人、助け助け合う】

立憲君主制を尊重する立場から、自他の個人の尊厳を守る有権者同士の緩やかなつながりで共同体を尊重する道を探ります

名護市長選所見

 名護市長選は残念な結果ではありましたが、正直玉城県政のコロナ対策は選挙に良い影響を及ばさないと思っていたので想定の範囲内ではありました。 
 まず、コロナ対策について申しますと、この様な感染症が流行した際に取りうる策は素人了見でも「感染者増えない様にする」と「感染者が増えても大丈夫な様にする」の2つだと分かります。
 しかしながら、政府与党をはじめ全国の自治体は対策が前者に偏重し過ぎたきらいがあり、マスメディアもそれを推進する風潮がありました。
 出口戦略のないまま効果の怪しいワクチンを唯一の頼みとしてダラダラと緊急事態宣言とまん防を繰り返してきた事はその最たる例でしょう。
 そういった中で残念ながら、普段あれだけ声高に地方自治を叫ぶ県知事が、国に対して我も我もと自身らの県をその対象地域に含むよう要請する事で仕事をしている感を出していたのも事実です。
 その陰で「医療体制を整える」といった後者の「感染者が増えても大丈夫な様にする」対策が全く見られませんでした。言ってしまえば後者に対して責任のある組織…はっきり申し上げれば医師会や分科会の怠慢のしわ寄せが、前者で努力している一般大衆にのしかかってくる構図があったと思います。
 沖縄の場合複雑なのが、元々国政与党に近い医療法人の怠慢のために、本来県政与党の支持母体である観光産業や飲食業界とその利用者が割を食ってしまった感があります。言ってしまえば、沖縄の場合ダラダラと自粛期間を伸ばせば伸ばすとほど敵に塩を送る面もあったのではないでしょうか。
 敢えて言えば、沖縄は奈良や愛媛県知事の例に倣うべきであったと思います。
 

 扨、しかし今更ぼやいても選挙結果は変わりません。
 ここから事後の事を考えますと厭世的な発言になってしまいますが、実質問題なにも変わらないのではないでしょうか。
 選挙結果に関わらず、政府与党は移設は推進するつもりであったでしょう(勿論、今回の選挙結果を受けて「民意は示された」と付加価値はつけてくるでしょうが)。
 一方、現職の市長が辺野古移設に対する立場を明言していない以上、市民の中に「生活のために現職に投票したが、移設には反対」という声は着実にあると思われます。
 そうしますと「工事は進まないし、といって止まらない」状態がダラダラ続く事は目に見えています。
 また繰り返される様に埋め立て地の軟弱地盤や実用面で疑問符の残る滑走路の事を考えれば、「工事は完了しても、移設先の施設は完成しない」という本末転倒な事態も想定されます。
 結果的に普天間飛行場は固定化され、辺野古には何だかよく分からない施設が出来上がるという最悪の展開になり得るでしょう。
 そう考えると実に胃が痛いものです。

 

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