一人(ちゅい)助け(たしき)助け(たしき)【一人一人、助け助け合う】

立憲君主制を尊重する立場から、自他の個人の尊厳を守る有権者同士の緩やかなつながりで共同体を尊重する道を探ります

ロシアのウクライナ侵攻を見て思った事

 今回のウクライナ侵攻を見て、ロシアは日本が背後を突いてこない事を見透かしているのは当然ですが、考えてみれば日本に駐留している米軍に対しても、その様に見ていると思われます。
 いえ「ロシアがその様に見ている」と言うのは語弊があって、実際にはアメリカが態度で示していると思います。
 なんせ面積ベースでみると在日米軍基地は北海道(約4,000千㎡)よりも青森(約23,000千㎡。全国第2位)の方が遥かに多い。(数値は2016年時点での防衛白書を参照)
沖縄についても先島ではなく本島に基地が集中している時点で、「最前線にはいかない」という米軍の答えは出てるんじゃないでしょうか。
 そういう点を見すごして口論した所で左派の夢想的なパシフィズムも、右派の表層的な現実主義(?)もあまり意味がないように思われます。

『日蓮の手紙』から「個人の尊厳」と「共同体の尊重」の両立を目指す

 NHK『100分de名著』、今月のテーマである「日蓮の手紙」がとんでもなく面白いです。

 

www.nhk.jp


 二回目の今回、特に興味深かったのは、主君や棄教を迫る父と信仰の狭間で葛藤する四条金吾や池上兄弟に対して、日蓮聖人が各人の立場を尊重した上で実に細やかな気遣いを見せていた事と、しかも解説の植木雅俊氏が「そういった各人が個性を生かされれば社会に資すると日蓮は信じていた」という意味合いの事をおっしゃっていたのは我が意を得た思いです。
 日蓮聖人が『法華経』に依拠して、信徒の夫々の立場を尊重する事が、「立正安国」という社会を救う目的への必要なプロセスと考えていたとすれば、「個人の尊厳を守る」と「共同体の尊重」の両立を探っている身としては大変心強い論理になるのではないかと考えています。

名護市長選所見

 名護市長選は残念な結果ではありましたが、正直玉城県政のコロナ対策は選挙に良い影響を及ばさないと思っていたので想定の範囲内ではありました。 
 まず、コロナ対策について申しますと、この様な感染症が流行した際に取りうる策は素人了見でも「感染者増えない様にする」と「感染者が増えても大丈夫な様にする」の2つだと分かります。
 しかしながら、政府与党をはじめ全国の自治体は対策が前者に偏重し過ぎたきらいがあり、マスメディアもそれを推進する風潮がありました。
 出口戦略のないまま効果の怪しいワクチンを唯一の頼みとしてダラダラと緊急事態宣言とまん防を繰り返してきた事はその最たる例でしょう。
 そういった中で残念ながら、普段あれだけ声高に地方自治を叫ぶ県知事が、国に対して我も我もと自身らの県をその対象地域に含むよう要請する事で仕事をしている感を出していたのも事実です。
 その陰で「医療体制を整える」といった後者の「感染者が増えても大丈夫な様にする」対策が全く見られませんでした。言ってしまえば後者に対して責任のある組織…はっきり申し上げれば医師会や分科会の怠慢のしわ寄せが、前者で努力している一般大衆にのしかかってくる構図があったと思います。
 沖縄の場合複雑なのが、元々国政与党に近い医療法人の怠慢のために、本来県政与党の支持母体である観光産業や飲食業界とその利用者が割を食ってしまった感があります。言ってしまえば、沖縄の場合ダラダラと自粛期間を伸ばせば伸ばすとほど敵に塩を送る面もあったのではないでしょうか。
 敢えて言えば、沖縄は奈良や愛媛県知事の例に倣うべきであったと思います。
 

 扨、しかし今更ぼやいても選挙結果は変わりません。
 ここから事後の事を考えますと厭世的な発言になってしまいますが、実質問題なにも変わらないのではないでしょうか。
 選挙結果に関わらず、政府与党は移設は推進するつもりであったでしょう(勿論、今回の選挙結果を受けて「民意は示された」と付加価値はつけてくるでしょうが)。
 一方、現職の市長が辺野古移設に対する立場を明言していない以上、市民の中に「生活のために現職に投票したが、移設には反対」という声は着実にあると思われます。
 そうしますと「工事は進まないし、といって止まらない」状態がダラダラ続く事は目に見えています。
 また繰り返される様に埋め立て地の軟弱地盤や実用面で疑問符の残る滑走路の事を考えれば、「工事は完了しても、移設先の施設は完成しない」という本末転倒な事態も想定されます。
 結果的に普天間飛行場は固定化され、辺野古には何だかよく分からない施設が出来上がるという最悪の展開になり得るでしょう。
 そう考えると実に胃が痛いものです。

 

プロフィール記事

著者プロフィール


M.Miura

昭和六十年三月、大阪府出生、愛知県育ち。
平成十九年、立命館大学文学部卒業。
民間企業勤務、専門学校を経て平成二十三年より立命館大学大学院文学研究科入学。
北村稔教授(当時)の元で東洋史学を学び、平成二五年に同大学院修了。文学修士
現在は会社員の傍ら、里見日本文化学研究所研究員として、上皇陛下の被災地や沖縄に対する想いを通じ、皇室の「公的行為」を考察。
令和二年、ウインかもがわより『翁長雄志沖縄県知事の政治思想研究』を自費出版
性自認が男女両性の所謂ジェンダーマイノリティーであるが、昨今の保革論壇によるLGBTQ論争からは距離を置いています。

 


趣味

 

旅行四国八十八ヶ所琉球八社御朱印を頂いている。なるべく徒歩で訪れる事で地方の現状を見て学ぶ。特に4巡目となる四国八十八ヶ所は徒歩と野宿のみで挑戦中であり、自然の恵みと厳しさを痛感すると共に、思わぬ地域の方々の連帯に助けられている。海外経験は多くないが英国、台湾をバックパッカーとして訪問。訪問先、Stratford upon avon、嘉義など。

 

 

落語…学部時代は落研に所属し「鬼の副会長」として後輩に恐れられたとは本人の談。最近は聴く方専門だが、実演の機会を虎視眈々とねらっている。

 

料理…大学院時代、料亭でバイトをした事を契機に始めた。味は保証しない。最近は沖縄料理にもハマっており、豚肉、黒糖、かつおだしの消費量が増えている

 

茶道…上述したバイト先の料亭で、料理長が裏千家の門下であった事から興味を持っていたが、改元の年に満を持して入門。現在は初級の許状を頂いたばかりだが、京都で勉学に励んだ強みを生かそうとしている。