一人(ちゅい)助け(たしき)助け(たしき)【一人一人、助け助け合う】

立憲君主制を尊重する立場から、自他の個人の尊厳を守る有権者同士の緩やかなつながりで共同体を尊重する道を探ります

那覇市長選雑感【開票前】

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 琉球新報によると那覇市議会与党市議団が、23日投開票の那覇市長選で自民、公明の推薦する前副市長の知念覚氏への支持を表明した、現職の城間幹子市長に対し、その撤回を求めたとの事だ。

 

 それに対して城間市長は「これまでの私に対する支援には感謝を申し上げる。私自身は新基地反対をこれからも堅持する。私が担ってきた市政を継続してもらえる候補者として判断した」と求めつつ、撤回には応じなかったという。

 

 前回に引き続きであるが、この城間氏の発言は不可解である。
 まず自身は「基地反対を堅持する」という事であるが、繰り返すようにこれが「オール沖縄対自公」の最大争点であり、城間氏自身がオール沖縄の推薦を受けて二度の市長選を戦った以上、後継者である知念氏を支持するにあたり、これを継承する事を条件にしなければ筋が通らない。
 それでは当の知念氏の辺野古問題に関する認識は如何なるものか。
 琉球新報のWeb版で市長選に向けたクロス討論を文字起こししたものがあるので、そこから引用しよう。

 

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 基地を挟んで右か左かに分かれてきた中で苦渋の決断を強いられてきたウチナーンチュを目の当たりにしてきた。県民投票の結果と民意は尊重されなければならず、どのような形で尊重するかは日米両政府がしっかりと考えを示してほしい。
 名護市民は苦渋の決断をし、市長選で渡具知武豊氏が再選した。従って渡具知市長の国と県の裁判を見守るという姿勢は非常に重いものがある。市町村は互いの街づくりを尊重しなければならない。渡具知市長の姿勢を尊重したい。

 

 単刀直入に言って前半部分と後半部分が相反しており、何を言いたいのか全く分からない。

 渡具知市長の「国と県の裁判を見守るという姿勢」というが、要するに県民投票で示された「反対」の意思を市政に反映させる気がないわけで、この姿勢を尊重すると言いながら、前半部分では(反対が賛成を上回った)県民投票の結果と民意は尊重されなければならないというのは、ダブルスタンダード以外の何物でもなく、本当にこのような発言があったのか疑いたくなるほどだ。

 但し、信頼できる現地の声を参照すると元来、知念氏の行政手腕は遺憾の無いものであり、単純な経験値で言えば対立候補の翁長雄治氏を凌ぐものがあるらしい。
 失礼を承知で言えば、筆者もTwitter等で雄治氏の発言を見るに、もう少し修行を積んだ方が好ましいと思う。今のままでは野村克則化する恐れがあるのではないかと見ている。
 そもそも翁長知事が最後は県知事を務めた事で誤解されているが、元々翁長知事にとっての政治家としての最終目標は那覇市長であったのだ。
 確かに県知事はその比ではないが、県都那覇の首長の椅子を軽く考え過ぎではないかという懸念を抱かずにはいられない。

 

 しかし、この様に考えると翁長知事の惜しむべきは後継者の育成と自身の健康管理が不十分であった事ではなかろうか。