一人(ちゅい)助け(たしき)助け(たしき)【一人一人、助け助け合う】

立憲君主制を尊重する立場から、自他の個人の尊厳を守る有権者同士の緩やかなつながりで共同体を尊重する道を探ります

水道橋博士参院議員の休職について思う

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 れいわ新選組水道橋博士参院議員がうつ病のため、当面休業するとのことだ。
 最前のブログ記事で「辺野古移設反対」且つ「コロナ対策は感染抑止より経済優先」の議員を増やす必要性を訴え、その代表例として氏の名前を挙げた手前、この件は非常に残念だ。
 
 実を言えば筆者もうつ病にかかった経験があるため、その苦しみは痛いほど分かる。まずはしっかり療養して頂きたい。
 
 扨、この休職を受けて同党代表の山本太郎氏が声明を出したので、これを見てみたい。

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 まず注目すべきは水道橋氏本人は辞職を希望していたが、担当の医師から「今の状況で判断するのは良くない」との助言を受け、休職することになったという点だ。
 この担当医氏の判断は非常に好感が持てる。
 語弊を恐れず言えば、うつ病とは要するに脳機能が低下(勿論、これは抽象的な観念での頭の良し悪しとは別問題である)した状態であるから、こういう状態で重大な決定はすべきではない。
 
 仄聞するところによると精神科医の中には、製薬会社とタッグを組んで依存性の高い薬をドンドン処方する様な輩もいると聞くが、これを見る限り件の担当医は親身な医師であると思われる。

 一方で引っかかったのは以下の山本代表の言葉だ。


 国会議員がうつ病で休職するということに対して、ご批判の声があるかもしれませんが、私はこれも非常に意義のある決断だと思っています。

 なぜなら、この国には、過労や仕事を原因とした精神疾患によって命を奪われてしまう人、自ら命を絶ってしまう人が多く存在するからです。

 そんなこの国で、この国に住む人々の代表である国会議員が率先して正直に病気について開示し、休むという選択をすることは、今、苦しい思いをしている人々が立ち止まるひとつのきっかけになるかもしれません。


 良くも悪くも山本氏は善意の人であるから、うつ病を患う人への眼差しや、今回の水道橋氏の休職を通じてそういう人たちへ「休んで良いんだよ」と呼びかけは本物だと思う。
 他方、現実的には「うつ病でも休めない人がいる」問題の解決には二つの課題があると思う。
 すなわち「本人の問題」と「周囲の理解」である。ご存知の通り、うつ病にかかる人は真面目で責任感の強い人が多いと言われる。故に戦略的に休養を取る事と、怠慢を混同しがちだ。
 また昔ほどはないにしても精神疾患を患う事を恥ずかしいと捉えたりする当事者もいるだろう。
 そういう前提を考慮すれば、水道橋氏が「勇気をもって病気を開示し、休養をする事を選択したこと」は、そういった当事者たちへのメッセージにはなると思う。

 

 他方、周囲の理解という点はどうだろうか。
 残念ながら、筆者がうつ病を発症した時点では、職場の上司も症状については理解してくれていたが「多忙さ」「職場の人間関係」が原因であるという事はまるで分っていない様子であった。
 念押ししておくと「認めようとしない」のではなく、本当に「そういう発想がない」のだ。
 もちろん、これは10年前の話であるから、今は多少変わっているだろうが、大きな改善は期待できないと思う。
 まして同党自体が毀誉褒貶の激しい政党であるから、それがためにいわゆるアンチからの心無い発言も出てくる可能性も考えられる。

 

 ただ一方で、毀誉褒貶が激しいからこそ、フォローの声も上がると思う。
 例えば精神科医・樺沢紫苑氏の下記の動画は非常に要領を得ており、この病気の理解の一助にとなると思う。
 下記動画のコメント欄を概観すると、れいわ新撰組や水道橋氏に賛否両論あるものの凡そ「これを機にうつ病への理解が深まれば」という声が多勢を占めていると思う。
 
 国民の心身の健康が守られる事も国益に資すると考えるので、今回の件が少しでもいい方向へ動けばと思う。